なでしこジャパンの快進撃が止まりません。普段はサッカーを見ないのに、こういう国際大会の時だけ熱くなるにわかファンなのですが、今回の女子サッカーワールドカップ(ドイツでは
Frauen WMといいます)はドイツが開催国ということもあって、開催前からドイツ国内では大いに盛り上がっていたので、私も試合予定表片手に始まるのを楽しみにしていました。
グループリーグではイングランドに完敗したものの、余裕でベスト8に入ったなでしこジャパンですが、決勝リーグで最初にあたる相手がドイツとは、残念だったね・・・と誰もが感じていたことでしょう。そしてドイツ代表選手も、ドイツ国民も、前大会、前々大会の優勝国で今年の大会の開催国でもあるドイツの優勝を固く信じていました。それが、なんと、まさかの日本勝利。それも、延長戦まで0-0で、延長後半に日本がいれた1点が勝利を決めるという接戦でした。7月13日に行われた準決勝のスウェーデン戦も、多くの人が、日本チームより平均身長が10センチも高くて、世界ランキング1位のアメリカに勝ったスウェーデンが当然勝つだろう、と信じていたことでしょう。私たち応援する日本人も、「まさかはあるかもしれないけど・・・、とにかく全力を出してがんばってほしい」という気持ちでした。それがなんと、試合中ずっと日本ペースで3-1の圧勝。最初に1点とられたものの、動揺するところなく自分たちの決めた戦術に冷静にしたがっている様子でした。1点目、2点目、そして極めつけの3点目が決まったときの、試合開催地ドイツでリアルタイムで観戦している日本人の喜びと雄叫びはドイツ国中に響いたのではないでしょうか。
今回、日本チームはFIFA(国際サッカー連盟)にお願いして、震災以降に日本を支援し励ましてくれている世界の皆さんに対するお礼のメッセージを掲げることにしたそうです。試合毎になでしこジャパンが場内を一周しながら掲げた横断幕にはこのように書かれています。
To Our Friends Around the World - Thank You for Your Support.
(世界中の仲間達へ-支援して下さったことに感謝します)
震災から実はたったの4ヶ月しかたっていないということが改めて思い出されます。ドイツでは、日本の半分くらいが崩壊したと思っていた人もいたくらいだから、日本チームの活躍を見て、「あれだけの被害にあったのにこんなにがんばっているのか」と驚きの目で見ている人も多かったと思います。実際、試合中は解説者が何度もフクシマ、ツナミ、などという言葉を使って震災のことに言及していました。自分よりずっと大きな選手に後ろからボールごと突き飛ばされようが、手で跳ね飛ばされようが、怒りを顔に出さずにすくっと立ち上がって黙々とプレーするなでしこジャパンの潔さ、かっこよさには心底しびれました。なでしこジャパンリーグの財政状況は厳しく、代表選手でも、練習時間以外にアルバイトをしないと生計を立てられない人もいるとか。私達に夢と希望を与えてくれたなでしこジャパンが今後もっと注目されて、女子サッカーが日本でも欧米なみにメジャーになることを願っています。
一番上の写真は、残念ながら日本戦ではないのですが、サッカー観戦はどちらかというと苦手な夫が子供を連れて行ってくれた時の写真です。場所はスウェーデン対日本が行われて、7月17日には日本対アメリカの決勝戦が行われるのと同じ、フランクフルトのスタジアムです。グループリーグ戦でブラジル対赤道ギニアということもあってか、それほど混んでいなくて、女性や子供が多くて、どちらがファインプレーをしても喜んで称えるというフレンドリーでとてもいい雰囲気だったそうです。
女子ワールドカップは、いや女性は、
平和の象徴、といったらそれはいいすぎでしょうか。
↓ ブラジルが優勢だった、ブラジル対赤道ギニア戦のようす
↑ サッカー観戦といえばサッカーおにぎり。隣のドイツ人が気付いて「あれ、これサッカーボール?」とびっくりしていたそうです。
↑ 7月17日、ドイツ時間20時45分(日本時間午前3時34分)からここで決勝戦が行われます。皆で応援しよう!