2007年 11月 18日
聖マーティン祭と冬の訪れ |
ドイツ各地から雪が降った、降った雪がまだ残っている、寒いぞ、という情報が飛び交う今日この頃ですが、日本からは「日中は20度で暖かい、半袖着てます」やら「海岸で日向ぼっこした」などうらやましーい便りが届いています。こっちは朝起きると外が「零下」ですぞ!
先週の火曜日の夕方、ついに雪らしい雪が降りました。翌日にはやみましたが、数日たった今でもまだ森の中や山には雪が残っています。上の写真はうちよりもさらに山の上の方、フランクフルトから30キロくらいのところにある友達の家から撮った写真です。高度もあるので、フランクフルトより気温が数度低いらしいです。このへんの子供達は雪が積もった丘でそり遊びをしていました。
そして、この雪が降った火曜日の夕方は、子供の幼稚園の聖マーティンのランタン行列の日でした。聖マーティンの日というのは11月11日ですが、今年は11日が日曜日にあたるため、たいていの幼稚園や小学校では8日~10日に行事をすませたようです。私達も、もともとの予定は9日(金)でしたが、雨に加えてひどい強風のため13日(火)に延期になりました。金曜日にしたのは、父親も参加しやすいからという理由もあると思います。なんせドイツの会社は金曜の午後はもう帰りたい人は帰ってもいいと決まっているかのようにみなリラックスしています。(オーストラリアみたいに、金曜の午後だし全員で帰っちゃおうか!というのりはないものの・・・)以前、金曜日の午後3時から幼稚園の行事があったのですが、なんと、その日たまたまドイツにいなかった夫以外の父親全員が参加してました。おそるべしドイツ人パパ・パワー。
聖マーティンは昔、冬の寒い日に道端で凍えている物乞いに自分のマントを半分に切って与えた慈悲深い人物、と伝えられています。ドイツでは、この日は子供達が手作りランタンを持って街を練り歩きます。うちの幼稚園のランタン行列は森の中でした。森は当然真っ暗なのでランタンの中に灯したろうそくのあかりが幻想的でした。しかしこの日はあいにく午後からずっと雨。それこそみぞれ寸前の氷雨状態の寒い夕方「今日はやはり中止にします」という電話がかかってこないかなーーーと暖かい家の中でひそかに期待する私。しかし、ドイツの行事で「雨の場合は中止になります」と前もっていわれることや、「雨だから中止になった」例はあまりないような気がします。それをあるドイツ人ママに言ったら「それもそうねえ。雨だったらどうしよう?なんてあまり考えたことないわ。」と笑っていました。
出発30分前には覚悟を決めてドレスアップ(!?)。サーモ下着という特別に温かい下着の上下(上は長袖、下は股引)、フリースのハイネックに分厚いフリースのジャケット、その上にさらに防水アウトドアジャケット。下はサーモホーゼという裏地が暖かくて表地がテフロン素材の冬のアウトドア用のパンツ。靴はもちろん防水でスノーシューにも使うくらい優秀なアウトドアシューズ。温かい帽子と手袋。これで万全!いかにもドイツ母冬バージョンといった格好になりました。
行列が終わると到着地では、キャンプファイヤーの火のような大きな焚き火 Martinsfeuer が焚かれ、そのまわりで歌を歌い、子ども達は人の形をしたベックマンWeckmannというパンのようなものをもらい、大人は温かいワイン(グリューヴァイン)を飲んで暖をとります。行列がはじまったときは雨だったのが途中で雪に変り、あたり一面真っ白になってきました。みんなきちんと着込んでいるせいか、それとも温かいワインを飲んで身も心も暖まったからでしょうか、「寒い」なんていう人は一人もいません。ドイツでは聖マーティンの日が冬のはじまりといわれていますが、まさにこの日を堺に本格的な冬に突入といったところです。
by raquel_2006
| 2007-11-18 06:53
| ドイツの慣習