2007年 06月 04日
エルツ城 |
ライン川下りは日本でもあまりにも有名で、特にマインツからコブレンツの間にはお城がたくさんあり観光のハイライトだ。ライン川の一番大きな支流モーゼル川は、フランス東北部のボージュ山地から流出しロレーヌ地方を経て途中ルクセンブルグとドイツの国境をなし、コブレンツでライン川と合流する。
今回の目的は、モーゼル川から少し入ったエルツ川の谷間にある、ドイツの名城5本の指、いや3本の指に入るといわれるエルツ城を見ること。12世紀に建てられてから一度も陥落したことがないこの城の装飾品や家具は全て実際に使われていたもので一見の価値があると聞いていた。500年前のままのオーク材の梁、ドイツ最古のベッドや、子供用ベッドのある部屋には乳母の部屋へ直結していると思われる小さな小さな階段、壁にかかった大きなタペストリーや貴重な絵画、中世の暮らしそのものがうかがえるキッチン、貴重な食器コレクションの中には日本や中国の皿も。城の室内は写真撮影禁止で、40分程の城内見学ツアーに参加しないと中には入れないが、エルツ城のウェブサイトでその一部をかいま見ることができる。ロマンチックとはほど遠い私ですら城の中にいるとはるか遠い中世に思いを馳せ、窓から見える見事な森は当時から全く変っていないのだろうな、とまるでタイムスリップしたかのような感覚におちいった。
この城を所有しているエルツ家の家系は800年以上も途絶えることなく続いていて、現在の城主は33代目で、ライン川沿いのEltvilleという街に住んでいるそうだ。
モーゼル川は大きく蛇行を繰り返し、両岸の急斜面ではモーゼルの川面の反射を利用して葡萄栽培が盛んに行われている、ドイツ屈指のワイン産地だ。
モーゼル川沿いに次のお目当ての小さな村バイルシュタインに行こうとしたら、なんと道路が封鎖されていて歩行者天国ならぬ自転車天国になっているではないか!1つ手前の村、Fankelまではなんとか車で行けたがそこで行き止まり。バイルシュタインまではあと2キロ。仕方なく自転車天国のすみっこを歩いていくことにする。この大きなサイクリングイベントは"ハッピー・モーゼル"といって、毎年聖霊降臨祭の次の日曜日に行われるということを後から知った。よりにもよって、こんなめったにないイベントの日に当たってしまうとは偶然だ。
←自転車だけでなく、ローラーブレードを楽しむ人もたくさんいた。
出た、ローラーブレードでベビーカーを押して疾走するママさんの後姿→
↓やっとたどりついた魅力的な村バイルシュタイン。名所を駆け足でめぐることはせず、ゆったりと地についた観光客の姿が多いように感じた。こんな小さな村で川を眺めながら名物のモーゼルワインを1杯いただくのも楽しいものだ。
by raquel_2006
| 2007-06-04 22:57
| ドイツ各地