2007年 04月 11日
はじめてのイースター |
今年のイースターは4月8日(日曜日)。6日の金曜日から9日の月曜日まで会社は4連休。たいていの幼稚園や学校はイースターをはさんで前後1週間ずつ、4月2日~13日まで2週間の休みだ。日本にいたころは、イースターと言ってもまったくピンとこなかった。私に影響があるのはせいぜい、ドイツ学校が休みになる、知り合いのドイツ人はみなどこか(たいていはバリあたり)に旅行に行ってしまうということくらい。イギリス人やドイツ人の友人に「エッグハントをやるから」と誘われてもなんだかよくわからないまま参加していた。
それがドイツに来るともうイースターの1週間くらい前からみんなそわそわ。どの店にもウサギや卵の形をしたチョコが大量に売られるさまはまるでバレンタインデー。今年は特に暖かいイースターで、春の訪れに対する期待が街中から湧き上がっているようだった。木曜日の夜に車でバイエルンの実家に行こうと計画していたのだが、渋滞が激しいようで翌朝5時出発に変更。これは大正解で、昨夜大渋滞していたはずの道路ががらがら。それも、田舎に着くと車と全くすれ違わないくらい村々は静まり返っていて厳粛な気持ちにさえなるくらいだった。イースターの2日前の金曜日はKarfreitag(聖金曜日)といって、イエスキリストが十字架に磔にされた日で贅沢を慎むという意味で今でもこの日にはキリスト教徒は肉を食べない。私はその習慣を全然知らなかったので、いつもソーセージ問屋になれそうなほど肉やソーセージをきらしたことのない実家で「今日はお昼も夜も魚だけなの」といわれた時は、「珍しいなあ、ついにヘルシーフードに目覚めたか?」なんて思ってしまってお恥ずかしい限り。
子供も、生まれてはじめてのエッグハントを屋外で体験し、色とりどりの卵やプレゼントが庭の方々に隠されているのを見つけて喜んでいた。しかし、気になるのはドイツにおけるイースターの日のお菓子の供給量。うちはチョコを食べさせてないので、卵型やウサギ型のチョコをみつけてもチョコだとは思っていなかったようであまり喜ばない。それをとても残念そうに見るじじばば。チョコは完全禁止というわけではないが、積極的に買い与えたことがない。人にもらっても一口食べて「もういらない」と私にくれる。チョコってまずいねーといつも私が言っているのでそれを信用している様子。まあ、いずれはこのおいしさに目覚めてしまい、普通に食べるようになるのだろうけど、せめて自分で1日3回きちんと歯磨きできるまでは食べないでいてもらいたい。ドイツはお菓子を食べるというか、食べないといけない機会が1年を通してすごく多いと思う。
私にとっては、特別なことは何もしなかったけど、まあいつも通りにサウナに行ったりマッサージを受けたり散歩をしたり昼寝をしたりと、のんびりできたイースターだった。実家の近所には自宅をスパ風に改造してマッサージをしてくれる女性がいる。何もない田舎にここを見つけた時は、まるで砂漠にビヤガーデンを見つけたかのようにうれしかったものだ。それから行く度にマッサージをお願いしている。多分このへんに住む人にとっては料金は高いと感じられるのだろうが、日本の6掛けくらいだからあまり気にならない。体調にあわせてオイルを選んで適度に力のあるマッサージをじっくりしてくれるので、いつも帰りはスキップしたくなるほど体が軽くなる。散歩の最中に3匹の野生の鹿を見た。ぴょん、ぴょん、ぴょーーーーんという3拍子のリズムで野原を駆け回っていた。本能に火がついて狩のようにそれをおいかける実家の犬。イースターらしく野うさぎもところどころで見かけた。半そででいられるくらい暖かかったので、のんびり庭で本を読みながらうとうとと昼寝をしたのは私には贅沢きわまりない時間の過ごし方だった。
by raquel_2006
| 2007-04-11 01:47
| ドイツ各地