2007年 04月 05日
ドイツのサウナ |
初めて混浴サウナを体験したのは数年前のことになる。夫が独身時代からの行きつけのサウナに案内してくれた。混浴といわれても、日本のスポーツジムでは混浴サウナに入っていたし(水着着用だけど)、露天風呂の混浴も平気、サウナは暗いしタオル巻いて入ればどうってことないだろうと軽い気持ちで付いていった。のっけからびっくりしたのが、更衣室が男女別でないこと。手馴れた様子でさっさと裸になってサウナに直行する夫においてかれてあたふたする私。すぐとなりでは、メタボリックシンドロームの見本になりそうなおやじが服を脱いでいる。そんなぁーーーあなたの尻など見たくないっすー。更衣室に誰もいなくなるのを待って服を脱いでタオルを巻く。このまま暗いサウナに座ってればいいのさ、と思いサウナに入ってみると、中にいる人全員素っ裸。タオルは、自分の汗を1滴もベンチや床にこぼさないためにのみ使っている。仕方ないからとりましたよ、タオル。ばっ!とね。まあ誰も見てませんよ、取るに足らない私の裸なんて。私は一応盗み見たけどね。
この冬ドイツに来て夫の実家に滞在している間は、サウナくらいしか楽しみがないので、近くにある改装したてのお気に入りサウナによく通った。サウナの他にも、水着着用ゾーンには大きな温水プール、子供用プール、ジャクジー、ミストサウナなどがあり、これらを両方備えた豪華な温水娯楽施設のようなものがドイツ中いたるところにあり、それもなんとたいていは公共の施設なのだから驚きだ。
ここの更衣室は男女別々だった。しかし喜んだのもつかの間、更衣室を出てサウナゾーン(つまり裸ゾーン)に突入すると誰もが裸でうろうろ歩いている。サウナから出て氷を体に塗りたくったり、サウナからサウナへ移動する間も誰もが裸だ。屋内にあるミストサウナは霧で中が見えないが、普通のドライサウナには青白い明かりがついていてガラス張りなので外から丸見えでまるで裸人間のショーケースのようだ。ここに入るのは当然パスする。屋外には、サウナ小屋といったかんじの温度が違うサウナが3つ建っていて、ここは中もほの暗く快適で(↑上の写真)他に誰もいない時は家族貸切気分を味わえる。しっかし・・・定期的にさっさと外へ出て素っ裸で水を浴びたり太陽の光を浴びにでる夫。それをあたふたとおいかけているうちに微妙に二人の入サウナのタイミングがずれてきて、一人でサウナにいる時に誰かが入ってくるとちと気まずい。相手も一人ならお互い黙っていればまだいいのだが、二人連れの男同士が入ってきて「グーテンターグ!」と明るく挨拶されたりすると、(裸でグーテンターグかよ。。。)といたたまれない気にもなる。
サウナ小屋と室内サウナの中間くらいに、サウナ用の温水プールがあり、ここではみんなが裸で泳いでいる。ある意味混浴サウナ以上の衝撃だ。(↓下の写真)サウナの合間に冷たい空気を吸って肺に入れることはとても大切で、また晴れた日には裸で太陽を浴びてビタミンBを補給するのだそうだ。そんなわけで、みな大まじめで裸で堂々と楽しんでいる。
ここのサウナ体験で一番おかしかったのが、Aufguss という、熱いサウナストーンに水をかけることにより、室内の湿度を一時的にぐーんと上げてより発汗作用を促すサービス。(調べてみると、日本ではサウナのふるさとフィンランド語のロウリュという名でこのサービスをやっているようだ)どのサウナにも「ここのAufgussは何時と何時」と書いてあって、その時間になるとサウナ中の人がぞろぞろと集まってくる。アロマの香りがする水をかけるのでとてもいい匂いが広がる。そこでパタパタとタオルで熱い空気をあおぐのでサウナ全体が阿鼻叫喚というか、とにかくもわーっと熱くなる。これが始まるとみなくぅーーーーと実に嬉しそうに熱さに耐える。若い女性従業員がやった時は、ユニフォームのポロシャツと短パンといういでたちだったが、若い男性従業員の時は郷ひろみばりの真っ赤なビキニブリーフ一丁で片手に持ったタオルを腰を使ってぐるんぐるんまわすその姿はまるでYMCA by ビレッジピープル?のようで下を向いて笑いをこらえた。この最中に熱さに耐えられずサウナを去る者には「オォーーーーッ」という失望の声が投げかけられる。終了後はみんなで拍手喝采。ちなみに、この時間はロウリュをやっているサウナ以外がらがらになるので、このすきに私は果敢にも「裸専用温水プールに一瞬入水して泳ぐ」をやってのけて施設を全て征服したぞ!という妙な達成感を味わった。
混浴サウナの話をすると、日本人の反応はだいたい「えー、私そんなの無理、絶対嫌」か、「うぁー私も行ってみたい、でも恥ずかしいなぁ」のどちらかがほとんどであるが、ドイツ人女性に「サウナに行ったんだよー」と言っても「うっそー、だって日本って混浴じゃないんでしょぉー、恥ずかしくなかったー?すごいね、勇気あるねー」なんていう反応をしてくれる人はひとりもおらず、たいてい「ふーん」というだけで、まるで「昨日ジムでエアロビクスをやったの」と報告した時の反応となんら変わらない。こちらの女性は、「興味ないから行かない」「好きでよく行く」の2つにくっきりわかれるようだ。
もう少し車の運転がまともにできるようになったら、近くにいいサウナを見つけて女性専用の日に一人で行ってみるつもりだ。
by raquel_2006
| 2007-04-05 02:30
| 健康