2010年 10月 31日
Goethe! ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~ |
ゲーテの生地フランクフルトで、ドイツでもまだ封切られて間もない映画、「Goethe! 」を観てきました。ドイツが世界に誇る文豪ゲーテですが、特にフランクフルトの人たちは彼のことを「フランクフルト市民の偉大な息子」と呼んで、ゲーテがここに生まれたことを、大変誇りにしているそうです。
文学少女だったわけでもないしゲーテには全く詳しくない私ですが、まだ十代のころ読んだ「若きウェルテルの悩み」には、ウェルテルに共感して魂をえぐられるようなたいへん大きな衝撃をうけました。人生で出合った最も大切な小説10冊の1つに確実に入ります。ゲーテの格言にも心を動かされるものが多く、時には人生の支えになっています。
この映画には、ゲーテが「若きウェルテルの悩み」を書くきっかけとなったロッテとの出会いから恋愛、友人の自殺、辛い失恋、そして本が出版されるまでが実話をもとに描かれています。中には実話とはかけはなれたとっぴな部分もありますが、話をコンパクトに感動的にまとめるためには多少の脚色はやむをえなかったのでしょう。ゲーテ役のAlexander Fehling (アレクサンダー・フェーリング)の素敵なことといったら!ドイツ語を習得するために(時には他に見たい洋画がたくさんあるのに仕方なく・・・)ドイツ映画を見続けていますが、こんな素敵な人が語るドイツ語だったらもうメロメロになって一言も逃したくない!それも彼が演じるのは美しい詩や言葉をつむぐゲーテ。完璧でしょう。ドイツの女性誌Brigitteが、「Goethe, Jung und
Sexy」(若くてセクシーなゲーテ)と評したとおりです。ロッテ役の女優さん Miriam Stein(ミリアム・シュタイン)もナチュラル・ビューティといった感じで飾らない自然な美しさ。18世紀ドイツを再現した街並みや衣装も豪華で一見の価値があります。
映画のタイトル、"Goethe" のあとの 「!」が重要です。"Goethe"だけだったらなんとなく堅苦しく感じますが、「!」をつけることによって若くて生き生きしたゲーテがよみがえったかのようです。日本で公開されるとしたらタイトルはそのまま「ゲーテ!」となるのでしょうか。
ドイツでも公開されたばかりだというのに、もう既にこの映画を日本でごらんになった、ドイツの映画やドラマの字幕翻訳家のありちゅんさんの日記をリンクさせていただきます。いつもわかりやすい楽しい解説でとてもお世話になっています。
映画の公式HPはこちら
映画のトレーラーはこちら↓
アレクサンダー・フェーリングがどんなに素敵かがわかるのは、ゲーテとロッテのシーンだけのこちらの短いトレーラーのほうかも(いま、1日に5回くらい見ないと気がすみません・・・)↓
ゲーテ関連の書籍はたくさん存在しますが、私が持っていて気に入っているのは下記の2冊です。
ゲーテ格言集 (新潮文庫)
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ゲーテ 高橋 健二
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おすすめ度の平均:
批判的に愛読すべき書人間が本当に悪くなると、他人を傷つけて喜ぶこと以外に興味を持たなくなる
人生に悩みぬいた人へ、ゲーテからヒントのプレゼント
達観したものが描く全て
17歳の時
座右のゲーテ -壁に突き当たったとき開く本 (光文社新書)
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齋藤 孝
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「若きウェルテルの悩み」 (ドイツ語原題 Die Leiden des jungen Werther)
十代で読んだ時の感動はよみがえってこないかもしれませんが、ぜひもう一度読み返してみたくなりました。ゲーテは晩年に、「もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら、その人は不幸だ」と語ったそうです。
by raquel_2006
| 2010-10-31 19:18
| L ドイツ映画